ルート図
5/2 快晴
6:45幌加登山口-12:00前天狗-14:00ニペソツ山-16:00ニペソツ、丸山のコルC1
早朝自宅を出発し、幌加登山口付近の駐車スペースに車を置き、出発の準備をした。快晴
で風もなくおのずと気分は上がる。雪の全くない登山道をニペソツ山に向けて登り始めた。
Co1000付近からようやく雪が出てきた。雪もかなり緩んでいるので時々踏み抜いて歩き
にくい。雪面にスノーシューの跡がついていたので先に登っているパーティーがいるよう
だった。ところどころ地面が出た登山道沿いにひたすら登って行った。
Co1300で台地上の尾根に上がったところの樹林帯でかなりでかい熊の足跡を見つけた。
数日前のもののようだが、樹林帯での遭遇は避けたい。声を出してこちらの存在をアピー
ルしながら進んでいった。
Co1550付近からだんだん尾根が細くなってきた。雪が薄いためたびたびハイマツトラッ
プを踏み抜き非常に歩きにくい。途中から尾根横の緩い沢地形に降りて比較的雪のある斜
面を登った。予定ではニペソツ山の主稜線に上がる手前のCo1700あたりでC1にするつも
りだったが気象条件も良さそうなので今日中にニペソツ山を登り、丸山とのコルまで下っ
てしまうことにした。
ニペソツ山に向かう主稜線に上がると雪面が締まってきて歩きやすくなった。風も弱く快
調に進めた。ニペソツ山頂上付近で先行パーティーとすれ違った。単独で今日中に下山す
るようだった。
ニペソツ山の頂上近くは遠くから見ると岩々していてかなり急に見えたが、登ってみると
何のことはない雪稜だった。
ニペソツ山頂上からこれから下る南陵を見る。通称“竜の背”。ここを下るとウペペサンケ
までエスケープはできない、覚悟を決めて稜線を下り始めた。東側は切れ落ちて崖になっ
ている。尾根も急だがそれほど恐怖感はない。丸山とのコルまで降りてC1。樹林帯で風も
防げるので快適なテン場だった。
5/3 晴れ、強風
4:00起床-5:30出発-7:00丸山-11:00東丸山-14:30ウペペサンケ山-15:00
Co1520 C2
夜中から風の音が強く、朝になっても風音はやまなかったので稜線に上がったらかなりの
強風が予想された。朝は雪面が締まっていて歩きやすい。ニぺの尾根から見た限りでは登
る予定の丸山の尾根は赤い岩が露出していてかなり登りにくそうに見えた。一本東側の尾
根は雪がついており登りやすそうに見えるが、そこにとりつくには今いるコルから丸山の
斜面に走る沢をいくつか越えていかなければならない。赤岩尾根を登るか、雪尾根を登る
か迷ったが、赤岩尾根にも雪がつながっている部分が見えたので予定通りのルートで行く
ことに決めた。
赤岩尾根に上がると風かなり強く時々よろめく。尾根上雪がほとんどなく、地面が露出し
ているが植生がほとんどないので歩きやすい。頂上へは遠くから見えた雪がつながってい
る部分を登った。急な部分は短い。
頂上部は名前の通り丸く平坦な地形。頂上隣により標高が高そうなピークが見えたので一
応登っておいた。
丸山から東丸山へ下っていく尾根は途中で二股に分かれているので視界のないときは注意
が必要そうに思えたが、今回は東丸山まで見えるので特に迷うことなく。尾根を下って行
った。標高低くなると尾根上密林で植生も出ていてあまり快適ではないので早めに沢のほ
うに降りて、しっかりしていそうなスノーブリッジを渡って東丸山の尾根に取りついた。
東丸山は頂上付近まで雪がついていた。最後それほどつらくない藪漕ぎで頂上に着いた。
ここからウペペサンケにつながる稜線にわたりCo1399の最低コルまで行った。地図上で
はここで登山道と合流することになっているがいまいちどこが登山道かわからなかったの
で雪のある所を登って行った。
ウペペサンケの尾根も雪解けが進んでおり、たびたびハイマツトラップを踏み抜き非常に
歩きにくい。しばらく行くと登山道らしき踏み跡を見つけるが不明瞭で時々見失う。頂上
付近はかなり風強い。
ウペペサンケ頂上から稜線をしばらく歩き幌加川に降りていく尾根に入った。あとは下る
だけだが尾根は意外と細く急なところもあったので慎重に下って行った。Co1520でC2と
した。ここもかなり風強くテントがかなりあおられた。
5/4 晴れ、強風
5:00起床-6:40出発-9:30林道-12:30国道273-14:00車着
夜中ずっと風が強くテントがあおられたがつぶれることはなかった。手早く撤収し尾根を
下り始めた。
下りで楽かと思っていたがそんなに甘くなく、尾根は細く急でかなりの密林。ザックがた
びたび藪に引っ掛かり今回の山行で一番厳しい藪漕ぎとなった。沢近くになるとブル道が
つづら折りについていたのでそれを伝って沢沿いの林道まで降りた。
ようやく林道に降りてこられた。しかしここで終わりではなく幌加登山口に停めてある車
を回収しに行かなければならない。林道には砂利が引いてあり、車が入ってこれそうに見
えた。でかい荷物を背負って林道を歩くこともないかと思い、必要なものだけ持ってザッ
クは林道にデポして歩き始めた。しかしこの判断が大きな間違いだった。軽装で快調に林
道を歩き30分ほど行ったところに、なんとゲートがあり鍵が閉まっていた。車を回収して
きてもここからまた歩かなければならないのでいったん戻って荷物を回収することにした
。あらかじめゲートの情報は調べておくべきだった。荷物を回収しまた同じ林道を歩き始
めた、ゲートの先も果たして車が入ってこられるのか不安になったので結局、国道近くま
でザックを背負って歩いた。
国道手前で荷物おろしてあとはひたすら道路を歩く。連休中ということもあり車通りも多
い。みんな歩いている僕の隣を車で通り過ぎるとき「なんでこんなとこ歩いているんだろ
う」と思っているんだろうな。途中の除雪ステーションで自販機があったのでコーラ購入
。疲れた体にコーラが染みる。元気が出たので車まで一気に歩いて戻った。
雪解けが進んでいて一部藪漕ぎもあったがいい山行だった。次はもっと雪のある時に来た
い。
(おわり)